設計工程に対する改善対策#4

2024 年 1 月 11 日 by arakawas

お客様へ高品質な製品をより早く提供するため、引き続き設計スキルの底上げを行っています。
そこで前回同様、弊社で発生した不具合を例に挙げ、設計段階で未然に防ぐにはどのような対応を行っておけばよいか、分析結果と併せて記載します。

【事例システム詳細】
休職者支援システムにて、所属上司は所属社員の休職情報を閲覧することができる。

≪休職情報閲覧≫

【不具合内容】
2回以上休職履歴がある社員の休職情報を、所属上司が閲覧できないケースがある。

≪期待する結果≫

≪実際の結果≫

【閲覧可否についての補足】

【原因の分析】
①なぜ、一覧に表示されない休職者情報があったのか
 ⇒複数回の休職履歴がある休職者情報が表示されていなかったため

②なぜ、複数回の休職履歴がある休職者情報が表示されていなかったのか
 ⇒過去の休職データと紐づいていた所属上司が、
  2回目以降の休職データと紐づいていなかったため

③なぜ、2回目以降の休職データと紐づいていなかったのか
 ⇒過去の休職データの閲覧が考慮されていなかったため

④なぜ、過去の休職データの閲覧が考慮されていなかったのか
 ⇒時系列に対する所属上司の閲覧可否の考慮が不完全だったため

【再発防止のための対策①】
時系列に対する所属上司の閲覧可否の考慮が不完全だった点から、イベントがある際に状態がどのように変化するかを「状態遷移表」で示し、状態ごとのイベントの処理方法を細かく表す。

【状態遷移表とは】
ソフトウェアやシステムの条件やイベントと状態の変化をマトリクスで表現したもので、状態とイベントの組み合わせを網羅的に検討できます。
また、漏れが無いようにパターンを全て記載するため、状態遷移図を作成する前に状態遷移表を作成した方がよいです。

≪作成方法≫
①ソフトウェアやシステムの条件やイベントによって生じる状態を洗い出す
 ※できることだけではなく、
  できないことも洗い出しておくことで余分な作業を減らすことが可能
②洗い出した状態をマトリクスに記載する

【再発防止のための対策②】
「ヒアリングシート」のテンプレートを作成しておくことで、お客様へのヒアリング観点を事前に準備しておく

今回も弊社で行った勉強会での事例を基に展開しており、今後も残り1回の勉強会の結果を交えて記載する予定です。

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