プランニングポーカーがうまくいく理由

2022 年 9 月 9 日 by nakas

はじめに

書籍「アジャイルな見積りと計画づくり」の著者が試した中で一番うまくいった見積り技法として、プランニングポーカーというものが紹介されています。数年前の社内懇親会で取り組んでみたことがありますが、改めて記事にまとめます。

「アジャイルな見積りと計画づくり ~価値あるソフトウェアを育てる概念と技法~」(著)Mike Cohn
https://www.amazon.co.jp/dp/4839924023

プランニングポーカー

プランニングポーカーはアジャイルでの見積り技法であるため、見積り対象はユーザーストーリーやテーマといった単位で行います。以下の流れで行います。

  1. 参加者はチームの開発者全員
  2. 10名以上になる場合は複数グループに分ける
  3. 参加者全員に一組のカードを配る
    • カードには見積りポイントが1枚につき1つずつ書かれている。
    • 例えば、「0, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 20, 40, 100」など。
  4. 基準となるユーザーストーリーやテーマと、見積りポイント(1や5など)を決める
  5. 進行役が見積対象のユーザーストーリーやテーマを1つずつ読み上げる
  6. 進行役かプロダクトオーナーが見積担当から出される質問に回答する
  7. 質疑応答が完了したら、見積担当は自分が思う見積りポイントのカードを選び、一斉にオープンする
  8. 見積りが異なる場合は、高い見積りと低い見積りを出した参加者に根拠を説明してもらう
  9. 数分程度の議論の後、再び全員でカードを選び直し、一斉にオープンする
  10. 見積りポイントが収束するまで繰り返し議論と見積りを行う
    • 見積りポイントについて全員が合意することがゴールのため、全員が全て同じにならなくてもよい
    • ある程度収束したら議論の中で見積りポイントを1つに絞るための合意を取れば良い(大抵が2ラウンドで収束するとのこと)

プランニングポーカー用のカードはAmaozonでも販売されていますが、以前の社内懇親会では「hatjitsu」というWebサービスを利用しました。後発で「Plapo」というサービスもあるようです。

プランニングポーカーがうまくいく理由

書籍ではプランニングポーカーがうまくいく理由として以下の4つを挙げています。

  • 複数の専門家の見解をまとめた見積りができる
    • ある研究者いわく「タスクを担当する人々こそが、見積りをおこなうべき人物としてもっとも適任である」と結論づけている
  • 活発な対話を引き出すことができる
    • 見積り根拠を共有することで精度を改善する効果がある
  • 個人の見積りを平均したほうがよりよい結果を残す傾向がある
    • とある研究成果がもとになっているとのこと
  • 楽しい

まとめ

プロジェクトの規模や事前に得られる情報によって、見積りにかける時間や労力はまちまちですが、「時間と労力を費やして見積りを出しても正確になるとは限らない」というのはアジャイルに限ったことではないので、ウォーターフォールでの見積りでも肝に銘じておきたいし、今回紹介したような方法を取り入れることで、効率的かつ精度の高い見積りができるのではないでしょうか。

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