テスト手法 – 境界値分析
2025 年 8 月 18 日 by sumikawahはじめに
現在、単体テスト仕様書を書くにあたり、さまざまなテスト手法があることを知りました。
今回はその中で 境界値分析 についてまとめます。
境界値分析とは?
境界値分析は、入力や出力の「境界付近」にバグが潜みやすいという前提に基づいて、テストケースを境界値に集中させる手法です。
基本の考え方
たとえば、「1~100の数値を入力可能」という仕様があるとします。
この場合、等価クラスで考えると:
- ・有効な入力値:1〜100(正常系)
- ・無効な入力値:0以下、101以上(異常系)
これを境界値分析に落とし込むと、以下のような値をテストします:
テスト目的 | テスト値 | 説明 |
---|---|---|
最小有効値 | 1 | 入力可能な最小値 |
最小無効値 | 0 | 入力できない直前の値 |
最大有効値 | 100 | 入力可能な最大値 |
最大無効値 | 101 | 入力できない直後の値 |
中間の正常値 | 50 (例) | 代表的な正常値 |
例:年齢入力(0歳〜120歳)
- ・境界値:0, 120
- ・境界値分析でテストする値:
- ・-1(無効値)
- ・0(有効値)
- ・1(有効値)
- ・119(有効値)
- ・120(有効値)
- ・121(無効値)
境界値分析のメリット
- ・少ないテストケースで高い網羅性
- ・バグの検出率が高い(バグは境界で起きやすいため)
- ・仕様の見落としも発見しやすい
まとめ
- ・境界値分析は「バグが起きやすいところを狙い撃ち」する効率的な手法
- ・テスト設計では、仕様にあるすべての境界を見落とさずに拾うことが重要
- ・他のテスト技法と組み合わせることでさらに強力になる