VMwareのスナップショット利用の注意点
2018 年 12 月 12 日 by fukuこんにちは。fukuです。
社内の開発環境としてVMwareを使用しているのですが、
その中の機能でスナップショットという便利な機能があります。
今回は、VMwareでスナップショットを利用するにあたって、いくつか注意点をご紹介します。
VMwareのスナップショットとは、VMデータのデータ状態を保存してその時点に戻すことができる機能です。
スナップショットを使う状況としては、「パッチ適用した後にシステムが不安定になった」、「アプリケーションをインストールしたが不要になった」場合などにすぐに復元(適用/インストール前に戻す)することができます。
失敗が許されない本番環境では、かなり便利な機能ですよね。
また、複数回取得することもできるので段階的にチェックポイントのように取得することも可能です。
ただ、この機能を利用する際には注意点がいくつかあります。
注意1) スナップショットはバックアップとしては利用しない方がよい。
取得した時点まで戻せるということで、毎日取得していればバックアップとして利用できるように思いますが、
基本的にはバックアップとして利用できるような仕組みにはなっていません。
そもそも、バックアップとは不具合が発生した際に元の状態(取得したタイミング)に戻せることが必須条件だと思いますが、スナップショットの仕組みでは、マスターファイルと差分ファイルが生成され、差分ファイルのみに最新情報が書き込まれていきます。
そのため、マスターファイルや差分ファイルでデータ破損が発生するとスナップショットの統合エラーや最悪の場合はゲストOS自体が起動しない(OS起動不可)などが発生する場合もあります。
これは、バックアップとしては条件を満たせていません。
注意2) Disk容量が倍以上に膨れ上がってしまう。
先ほど、記載したスナップショットの仕組みから仮想ファイルを複製するとVMwareの仕様から仮想ディスクは、必要容量を確保(シックの場合)してしまうのでマスターファイルと差分ファイルで最大で約2倍の容量を消費してしまいます。
さらに、スナップショットを複数回利用すると差分ファイルは増えていくので・・・・
注意3) スナップショットを削除する際には I/O負荷が増加してしまう。
容量が増えることもあるので作成したスナップショットは一定期間後に削除しなければいけません。
スナップショットを削除すると、差分ファイルがマスターファイルへ統合されますが、その際に、ディスクへはI/O負荷(書込み)が大量に発生します。
DBサーバなど一貫性が高いシステムでは、影響が出るので実施タイミングなどは、調査した上での実施が必要となります。
ちなみに、スナップショットの保存期間が長いと差分ファイルの容量が増大し、
ファイル統合の時間が多くかかってしまうのでタイミングを図るのが難しくなります。
スナップショット自体は便利な機能なので
上記のような、注意点を考慮して安全・安心な運用を心掛けていきたいですね。