企業における「個人向けCMS」利用の可能性

2008 年 4 月 15 日 by TMR

ここ数年でCMSという言葉をよく聞かれるようになりました。
CMS(Contents Managment System)としてよく挙げられるシステムでは、Movabletype, WordPress, XOOPSなどがあります。

CMSの紹介(一部)

CMS名 分類 動作言語 ライセンス
Movable Type ブログ系 Perl 有償
WordPress ブログ系 PHP GNU GPL
Nucleus CMS ブログ系 PHP GNU GPL
XOOPS 汎用系 PHP GNU GPL,BSD
MODx 汎用系 PHP GNU GPL
Joomla! 汎用系 PHP GNU GPL

上表で紹介したものは「個人向けCMS」と呼ばれるもので、元々は日記や掲示板などが多機能になってきたものが多いです。また、オープンソースとして入手しやすいものも多く、かなり普及しています。

簡単に記事を書いて更新できることから企業も注目されることがありますが、企業で利用するためにはいくつかの問題をクリアする必要があります。
WebSiteによく求められる次の点を中心に満たせるかを考えてみましょう。

  1. 最新な情報
  2. 大量な情報
  3. 整理された情報

  1. 最新な情報
    更新・公開しやすい仕組みですから、簡単に達成できそうです。
    しかし掲載情報は「個人」ではなく「企業」として信頼できる情報である必要があります。
    誤解を生じる表現はもとより誤情報の掲載は、場合によっては企業価値を下げる結果にも成り得ますので、「不適正な情報公開を防ぐ危機管理」として承認制度が必要になります。この「承認」という考え方が「個人向けCMS」には元々必要ないため、企業で利用するには少し工夫が必要です。例えばXOOPSやWordPressは承認機能を持ちますが、日本企業に多い2段階承認(社員⇒上長⇒決済者)は適用できません。記事作成者の記事を管理者が承認するという1段階承認で公開可能な「運用ルール」を設ける工夫、あるいは何らかのカスタマイズが必要になります。
  2. 大量な情報
    これも1と同じく、更新しやすさから大量な情報は準備できますが承認の必要性が残ります。
  3. 整理された情報
    情報の分類は「カテゴリー」や「タグ」といった機能を利用すれば可能です。
    ただし公開期間のみ掲載できるといった、コンテンツを「管理」することは苦手です。
    もともと日記・掲示板の機能が強いために時系列で並ぶ記事には向いていますが「今、最も見てほしい情報」と「それほど優先順位が高くない情報」との差別化が難しいと言えます。従って抜粋記事を掲載できるトピックス表示ができる機能やページ単位で公開期間を設定できる機能があれば便利になるでしょう。

個人向けCMSは検索エンジンとの親和性も高く、企業の公開情報がアクセスされやすいと評価されています。その恩恵をうまく受けるには、現在では何らかの工夫やカスタマイズ対応することが必要なことが多いようです。

タグ:

TrackBack