はじめに
Windows Update 後に作成される Windows.old フォルダは、以前のシステム状態を保存するためのフォルダです。容量が大きく、PC が重くなることもあるため削除したい場合がありますが、削除前の確認が非常に重要 です。この記事では安全に削除する手順と注意点を解説します。
1. Windows Update と Windows.old の関係
Windows Update には大きく分けて2種類があります。
- 小規模アップデート(セキュリティや累積更新)
- 通常は Windows.old は作られません。
- メジャーアップデート(大型アップデート)
- 例:Windows 10 のバージョンアップ(21H1 → 21H2)、Windows 11 へのアップグレード。
- この場合、以前の Windows の状態を Windows.old に丸ごと保存 します。
Windows.old に保存されるのは アップデート前のシステムファイルやユーザーフォルダ です。
つまり、アップデート後の Windows に同じユーザーデータが既にコピーされている場合も多く、ほとんどの個人ファイルは新しい Windows に移行されています。
2. 過去のユーザーデータだけが Windows.old に残るケース
通常は、Documents、Pictures、Desktop などの重要な個人データはアップデート後の Windows にコピーされます。しかし、以下の場合は Windows.old にしか残らないことがあります。
- アップデート中に移行に失敗したデータ
- 一部のアプリの設定や非標準フォルダに保存されていたデータ
- 複数のユーザープロファイルがあり、使用していないプロファイルのデータ
ほとんどのケースでは新しい Windows にコピー済みですが、まれに Windows.old のみに残るデータもあります。削除前に確認することが大切です。
3. 削除前に確認すべきデータ
| フォルダ | 内容 | 確認・コピー手順 |
|---|---|---|
Windows.old\Users\<ユーザー名>\Documents | ドキュメント類(Word、Excel、PDFなど) | 新しい Windows の Documents と照合 → 必要なファイルをコピー |
Windows.old\Users\<ユーザー名>\Pictures | 画像ファイル | 同上。クラウド同期していればコピー不要 |
Windows.old\Users\<ユーザー名>\Desktop | デスクトップ上のファイル | 新しい Desktop と照合 → 未移行のファイルはドラッグ&ドロップで移動 |
Windows.old\Users\<ユーザー名>\Downloads | ダウンロードファイル | 必要なものだけコピー |
Windows.old\Users\<ユーザー名>\AppData | アプリ設定・プロファイル | 隠しフォルダを表示して確認 → 必要な設定ファイルをコピー(例: ブラウザプロファイル、ゲームセーブ) |
Windows.old\Program Files / Program Files (x86) | 古いアプリ | 特定アプリの設定だけコピー。通常は不要 |
Windows.old\Windows\System32\drivers | 古いドライバ | 基本不要。問題があれば最新ドライバを再インストール |
💡 日付順にソートすると、アップデート後に移行されていない最新ファイルを見つけやすいです。
4. 隠しファイルを表示する方法
- エクスプローラーを開く
- 「表示」タブ → 「表示/非表示」グループ → 「隠しファイル」にチェック
- Windows.old が見えるようになります
AppData など一部重要なフォルダは隠しフォルダにあるため、表示して確認する必要があります。
5. 安全に削除する方法
- 「設定」→「システム」→「ストレージ」→「一時ファイル」を開く
- 「以前の Windows のインストール」または「Windows Update のクリーンアップ」を選択
- 「ファイルの削除」をクリック
直接 Windows.old を右クリックして削除するのは避ける!
→ アクセス権の問題や一部ファイルが残る可能性があります。
6. 削除後の注意
- ロールバック不可:以前の Windows に戻せません。
- コピーし忘れたデータは復元困難。
- Windows.old は通常 10 日で自動削除されますが、手動で今すぐ削除することも可能。
7. 参考リンク
- Wondershare Recoverit の記事(手順の参考)
Windows.old を削除する方法
こちらの記事は手順が中心ですが、当記事では 事前確認すべきデータや安全性ポイント に重点を置いています。
8. まとめ
- Windows.old 削除前に必ずデータ確認。
- AppData や特定アプリ設定もチェック。
- 安全削除は「設定 → ストレージ → 一時ファイル」経由。
- 削除後は元に戻せないので注意。
- ほとんどの個人データは新しい Windows に移行されるが、まれに Windows.old のみに残るデータもある。
※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、作業の実施はご自身の判断と責任において行ってください。記事内容を参考にして発生したいかなる損害についても、当方では責任を負いかねます。